アトピー性皮膚炎が、鍼灸施術により改善した症例 (大阪府 30代 男性)
お悩みの症状
今回の患者さんは、「アトピー性皮膚炎」の方です。幼少期から再燃と緩解を繰り返していたようですが、社会人になり、一人暮らしも始めてから、より一層強く症状が出現したとのこと。
症状には波があるようで、季節や仕事の忙しさにより、強くなる時期があるようでした。
病院へは時々通院していたようですが、漢方薬や塗り薬(ステロイド含有のもの)を使い誤魔化していたようですが、根本的な改善にはつながらず、鍼灸施術による体質改善をご希望され、当院へご来院されました。
治療方法
1.カウンセリング・検査
2.脈診、舌診、腹診で体の状態の把握・症状と照らし合わせる。
3.ハリの説明を治療前に行う
4.上向きで手足と頭に数本ハリを打つ
5.抜いてうつ伏せになり、背中にハリを打つ
当院での治療後の患者様の感想
初回のご来院時は、去年の冬場でした。当時は肘、首から肩の付け根、背部上部から後頭部にかけてと、非常に広範囲にアトピー性皮膚炎の症状が出現していました。
特に夜になると症状が強くなり、かゆくて眠れない、寝ていてもかゆみで度々起きていたそうです。
皮膚の状態も傷だらけで、一部からはからだの体液が出ており、肌着などと引っ付いてしまい、痛みも伴っているような状態でした。
「アトピー性皮膚炎」の場合、中医学では「湿邪(しつじゃ)」や「風邪(ふうじゃ)」、「於血(おけつ)」、「血熱(けつねつ)」など、多数の原因が混ざり合い、皮膚のかゆみを引き起こすと考えます。
それに加えて、ご本人の体質として、「脾虚(ひきょ)」や「腎虚(じんきょ)」など、経過を鑑みて状態をしっかりと把握する必要があります。
今回の患者さんの場合は、長年の症状により、「腎虚」がベースとして考えられました。 また、一人暮らしをすることで食生活が乱れ、「湿邪」、仕事による負担でも悪化することから「風熱」、体液が滲出するほどのかゆみから、「於血」など、多数の原因が絡んで起きている「アトピー性皮膚炎」と考えられました。
「アトピー性皮膚炎」の場合、西洋医学では「ステロイド軟膏」などによるかゆみの軽減が主として改善を狙っていきますが、薬を塗ってしばらくは軽減しても、数時間のうち、もしくは数十分のうちにかゆみが戻ってきてしまう方が多くいらっしゃいます。
もちろん、そのまま改善していく方もいらっしゃいますが、当院へご来院される方は薬を試したが、改善が芳しくないため来られる方がほとんどです。
その場合は薬の量を変えたり、別の薬を試すなどして経過をみます。 ただ、ステロイドの含有されているものは依存性も高く、また、皮膚をかえってもろくしてしまう(ステロイドがタンパク質で構成されている皮膚表面を分解してしまうためです。)ことも多く、かえってかゆみや傷跡となりやすくなったりもします。
上記のようなこともあるため、鍼灸施術による改善を望まれる方は多いです。 もちろん、ステロイドの軟膏を使いつつ、鍼灸施術を受けられる方もいらっしゃいます。
当院の鍼灸施術では体質をしっかり改善していくため、薬の効果も出やすい、もしくは副作用が出にくくなるようにコントロールができます。
今回の方はステロイドは当時から使っておらず、鍼灸施術による経過のみでありましたが、 複数あった原因が徐々に絞られてきて、今では初回の頃に残っていた色素沈着などもすっかり無くなりました!
時間が必要となる疾患の一つではありますが、1年ほどでほとんど症状が出なくなり、こちらとしても、とてもうれしく思います。